この夏は久々にちゃんとゲームをやった季節でした。なんと、以下の3つのゲームをエンディングまでプレイしたのです。
- ゼルダの伝説 夢をみる島
- JUDGE EYES 死神の遺言
- パチプロ風雲録5 ~青春篇~
私はゲーム業界で仕事をするようになってから、家でゲームをすることがほとんどなくなりました。他社さんのゲームのドラクエシリーズだけはやっていたが、あとはせいぜい自社から発売されたゲームをどんなもんかな?みたいな感じでさらっと触ってみるくらいだったと思います(さすがに出たの全部はやれないので、気になったゲームや親しい人が関わったゲームのみででしたが)。
ちなみに「自社のゲームを買うときは社販で買えるのか?」という質問を良く受けるのですが、社販で買った記憶は一度もないですね。たぶん社販の制度はあったと思うのですが、周りの人含めて誰一人使っているのを見たことはないです。基本的にはAmazonとか量販店で普通に買っていました(安く買えると行っても1割か2割引くらいでしたし、それだけのために手続きするのが面倒でした)。なぜもらった給料を会社に返す必要があるのか?という疑問を抱きつつ。私は携帯やスマホのゲームの開発部隊にいることがほとんどでしたが、そういえば自分が関わっていたゲームにもそこそこ自腹で課金して給料返していたなぁ・・・ 実機でのテストプレイも兼ねてではありましたが・・・
話はそれましたが、私がひと夏で3つのゲームをクリアするなんて、学生時代以来かもしれません。とにかく上で上げた3つのゲーム、どれも味があって良作でした。ということで、ざっくりと感想文的なことを書いてこの夏のゲーム感想文として提出します(誰に?)
まずは「ゼルダの伝説 夢を見る島」から。
「夢をみる島」を27年越しに初プレイする
私の年齢ですと、初代ファミコン版のゼルダの伝説から始まり、リンクの冒険、そしてスーパーファミコンの神々のトライフォースと2Dゼルダシリーズをガリガリとやってきた世代です。その後はニンテンドー64から3D化していくわけですが、私のようなおっさんはそれらにはなじめませんでした。2Dゼルダじゃないとダメなのです。
今回買ったSwitch版の「夢をみる島」は1993年に発売されたゲームボーイ版のリメイク作品となります。オリジナルのゲームボーイ版は画面も小さくて解像度も低く、さらに初期はモノクロということもあり、ゼルダ好きだった私もまったくやりたいと思うことはなく、完全スルーしていました。
そのゲームボーイ版の発売から26年も経ち、Switch版の夢をみる島がリニューアルされて発売されたわけです。2019年9月20日のことでしたが、私は予約して発売日に入手していました。買ってすぐに最初のダンジョンのクリアくらいまでプレイしたのですが、なぜか気乗りせずにプレイ継続をやめてしまったのです。
2DゼルダのようでそうではないSwitch版の夢を見る島
なぜすぐにやめてしまったのか? ですが、あまり明確な理由があってやめたわけではないのですが、やはり私が求めていた2Dゼルダではなかったというのが一つの理由だったのかもしれません。
(おっさん)
何か違う・・・ 何かが違うんだ・・・・
というほど悲観的ではなかったのですが、やっぱりしょんぼりしましたよね。でも、しばらく経って今年の夏になってPUBG熱も冷めていましたし、何でも良いからなにかゲームを求めて・・という感じでこのゲームを取ってじっくり腰を据えてやってみたら、やっぱり面白かった、というオチでした。なるべく2Dゼルダに近づけて作ろうという創意工夫がこのゲームにも随所に見られるんですよね。
たとえばですが、上で上げた私の配信動画でも、神殿にある柱みたいのとか壁や塀のようなものとかがあるんですけど、とにかくすべてのオブジェクトの高さがわりと低く作られています(高い建物や高い木などは存在しません)。
あと、壁に囲まれたような細い道を作るときですが、縦の道は細いのですが、横の道は少し太めになっていたりします。
なぜそうなっているのか?ですが、「オブジェクトに隠れて主人公や敵キャラが見えなくなることをなるべく起きないようにする」ためです。斜め上俯瞰視点固定のゲームは2D、3Dに限らずなんですが、こういうことを考えてゲームを作るのって結構面倒なんですよねぇ。ということで、すべてのオブジェクトの高さを色々と気にして作ることになるワケなんですが、単純に高さを低くするだけだと、見た目がかなりかっこ悪くなりますし、低くするにしても、プレイヤーが見えないところや気づかないところででかなり工夫して表現しているのです。
ゲームボーイ版の動画と私の配信動画を見比べてみると、Switch版で苦労して表現している部分がさらによく見えてくると思います。ゲームボーイ版はなるべく破綻しないようにオブジェクトの高さの表現をほとんど切り捨てて、実質的にはほぼ真上からの視点です。キャラクターの表現を斜め上にして、ゲームとして全体的に「擬似的な斜め上俯瞰視点」としています。
でも、これを現代ゲーム機のスペックでリメイクするとなると、真上からの俯瞰にすると明らかに見た目がおかしな事になりますし、リアル斜め上俯瞰視点で作るしかないわけですが、そうするとオブジェクトの陰に隠れて見えない問題がワラワラと発生してしまうのです。そうしないための創意工夫を随所にしないとリメイクできない作品でした。ゼルダに限らずですが、古いゲームのリメイクって、実は簡単なようで難しい一面もかなり多くあります。
言いたいことをなかなか上手く伝えられなかったのですが、この記事の公開後に私が伝えたかったことをほぼそのまま書いてあるサイトを見つけましたので追記します。
「ゼルダの伝説 神々のトライフォース2」での手法です。こんな感じでむりくり破綻しないようにつくっているのです。どうやらカメラ(視点)は真上からの俯瞰のようです。Switch版夢をみる島とは明らかにに違う手法ですね。
真・2Dゼルダはもう出ないのか?
とはいえ、スーパーファミコンの神々のトライフォースのような真・2Dゼルダをやりたいなぁ、なんて思っちゃうのがワイのようなおっさん世代です。ということで、この先出るのか出ないのか?とか考えてみたりするんですけど、まぁ出ないでしょうね。現代機だと表現的な破綻が目立っちゃうってのもそうですが、そもそもとして2Dゼルダを作る方が今となっては作業工数的にも大変(=制作費がかかる)な気がします。
今はゲーム制作の現場にいないので実情としては分かりませんが、疑似斜め上俯瞰視点を上手く表現できるドット絵をかける人の比率がかなり少なくなってると思います。ドット絵を描くより3Dモデルを作る方が楽(人材的にも)という時代じゃないのかな?(私が働いてた時代ですら、すでにそういう感じでしたから)
ということで、感想文というよりは解説文みたいになってしまったのですが、とにかくSwitch版夢を見る島は良くできたゲームでした。楽しかったです。
ということで、次回は「JUDGE EYES 死神の遺言」について書きます。